相 尚寿 助教 共同利用・共同研究部門 2016-   

身近な都市に関する統計データや空間データの整備と公開は進んでいるものの、依然として自治体職員や地域住民にとって解析手法やGISなどの専門ソフトウェアの習得の敷居は高く、蓄積されたデータが地域の理解に十分に活用されているとは言えない。直感的に理解しやすい指標の提案、身近なサービスへの応用、汎用ソフトウェア上でのツール開発などを通じて、各種データの利活用が促進されるようにしたい。

スマートフォンを用いた歩行行動のうちの散策行動の自動抽出

徒歩移動のうち散策行動中にのみ観光情報を提供できるサービスへの応用を念頭に、観光者が携行する情報端末で取得できる各種データをもとに散策行動を自動判別するルールの構築を目指している。GPSで取得される位置情報、歩行速度および加速度センサーで取得できる携帯端末の保持姿勢をもとに、個々人の歩行特性や携帯端末の定常的な使用方法を加味した精度の高い判別ルールを構築する。

都市のコンパクト化検討のための費用試算シートの開発

人口減少・高齢社会への対応として集約型都市の実現が急務である。しかし、具体的な空間整備の方法論は確立しておらず、既存研究による各種コストや効果の試算手法も前提となる条件設定の存在やユーザインタフェイスの未実装により、自治体担当者や地域住民が自地域のコストや効果の試算を簡単に行える状況にはない。本研究で提案する試算シートは、維持管理費や開発費などのコストに関する変数、現状の人口分布や計画人口、現状の施設配置などを入力として与えることで、シートが自動で計画案を提示し、結果的に圧縮される維持管理コストの累積によって集約先市街地における開発費が捻出されるまでの年数を出力する。この年数を事業期間の目安とし、計画案の簡易的な評価が可能である。シートは汎用表計算ソフト上で稼動するよう開発しており、専門知識がなくとも複数案の比較検討、試行錯誤も容易に行える。

人口増減実績に基づいた地域の「住みたい度」の定量化

人口減少時代にコンパクトな市街地を実現するにあたり、強制的な住民の移住は不可能であり、住民にとって魅力的な市街地を集約先に整備して移転を促していく必要がある。国勢調査により小地域単位で人口が集計されており、その人口の増減傾向を時系列的に把握することが可能である。就職、転勤、進学などによる転居の場合であっても居住地を指定されることはまれであり、近隣地域間で居住地の選択を行う。小地域単位の人口増減にはそのような選択の結果が一定の割合で反映されていることに着目し、人口増減に影響を与える住環境要素の抽出、人口増加に寄与する各要素の水準、各要素が人口増加に与える影響の相対的な大小関係を明らかにする。


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