あいさつ


空間情報科学研究センター長
小口 高

2014年4月1日に東京大学空間情報科学研究センターの第4代センター長に就任いたしました小口 高です。1998年のセンターの発足以来、岡部篤行初代センター長、柴崎亮介第2代センター長、浅見泰司第3代センター長が空間情報科学の発展を先導してきました。歴代のセンター長が積み重ねてきた実績の重みを十分に認識し、センターの運営に励みたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

空間情報科学研究センターは文理にまたがる多分野のメンバーで構成されていますが、最も多いのは工学系のメンバーで、過去三代のセンター長も工学の研究者(都市工学、土木工学)です。一方、私の専門は理学(自然地理学)です。工学は実社会との結びつきが強く、企業等との連携の機会も多く、その中で組織の運営に関するノウハウを身につけてきた研究者が多いと思います。一方、私はそのような経験が多くありませんので、自らの強いリーダーシップを発揮するというよりも、センターの他の方々の協力を得つつ、組織をバランス良く運営していきたいと考えております。

空間情報科学研究センターは発足時には東京大学の内部の組織でしたが、4年前に文部科学省により「空間情報科学研究拠点」(共同利用・共同研究拠点)と位置づけられました。これは、東京大学以外の組織との全国的な連携がセンターの公式な役割になっていることを意味します。これと関連し、センターは2010年度からの中期計画期間において、「共同研究デジタル実験フィールド」の構築を行ってきました。これは、環境と社会の変化や、人・モノの動き等に関するリアルタイムの地理空間情報について、研究用データとデータ処理サービスを整備・提供することにより、効果的な共同利用・共同研究を実施することを目的としています。幸い、センターが整備したデータやサービスは全国の多数の研究者の方々に活用していただいており、共同研究の成果の発表を目的に毎年行っている研究会「CSIS DAYS」にも、多くの方にご参加いただいております。また、2011年にセンターに設立された「次世代社会基盤情報 寄付研究部門」等の活動を通じて、民間企業との連携も深まっています。さらにセンターは、国民へのより良いサービスの提供を目的に、国土地理院などの官庁とも協力してきました。このような状況を維持し、発展させていくためには、今後も全国の皆様のご協力が不可欠です。どうかよろしくお願いいたします。

空間情報科学研究センターの発足以来、地理空間情報を取り巻く状況は大きく変化してきました。データの空間・時間解像度が飛躍的に向上し、インターネットなどを介した流通量も急増しました。また、データを利用する機器も多様化し、コンピュータからスマホ等まで広がってきました。最近は「ビッグ・データ」の語が地理空間情報との関連で頻繁に聞かれるようになり、それを活用したビジネスも発展しています。また、東日本大震災を経て、防災や被災地の復興に活用される地理空間情報の役割もますます高まっています。さらに地理空間情報の作成や流通が国際的な規模で行われる機会も増えており、海外の研究者や研究機関との連携の重要性も増しています。このような動向を考慮しつつ、センターは今後も積極的に活動していきますが、活動を向上させるためにも、皆様からご意見・ご要望をいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。


2014年4月1日
東京大学 空間情報科学研究センター長
小口 高